遊びを通じての運動は子どもの心身発達に大きく影響する

遊びを通じての運動は子どもの心身発達に大きく影響する

幼児期の子どもは身の回りのことを少しずつ自分で行えるようになるために、ままごとやごっこ遊びなどの遊びを通して様々な動きを経験し、生活に必要な知識や技能を身に付けていきます。このように子どもは遊びを通して、心身の発達をしていくのですが、今の親世代が子どもだった頃の30年程前と比べると、現代では周りを取り巻く環境や考え方が変わり、生活が利便化したことで、遊びを通しての運動から得られる生活体験は明らかに乏しくなっています。昔と変化している遊びについて子どもの課題を知り、具体的に子どもの遊びは、どのような心身の発達に関わりがあるのか注目していきましょう。

運動不足がもたらす子どもへの影響

1. 自分の体を操作する基本的な能力の低下

靴のひもが自分で結べない、スキップができないなど、自分の体を操作する基本的な能力の低下です。昔は子どもが外で遊ぶことが普通でしたが、現代は都市化が進み、周りには住宅地や車の通りが多い道路が増えたことで、危険な場所とされることや、近所迷惑になるといった観点から、子どもが外で遊ぶ機会が減っていることが原因となっています。

2. 生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下

幼児期から小学生にかけての遊びや運動の機会が減る事によって、子ども達が大人になってからの生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こすことや、社会への活力が失われることが懸念されています。

参照：子供の体力向上ホームページ

これらを防ぐためには遊びを通して運動をする事が必要不可欠です。では遊びと運動はどのような心身の発達をするのか見ていきましょう。

遊びはどのような心身の発達をするのか

1. 創造性や柔軟性などの感受性を高める

子どもは時に突拍子もないことを思いつくことや、行動することがありますが、子どものその柔軟な考えを育んでいくのも遊び心からです。子どもは自由に遊ぶことから、自分たちなりに試行錯誤し、新しいルールを作るなどして、遊びをより一層楽しむためのアイデアを出し、想像力を育むことや、柔軟に環境の変化に対応していく力が養われ、感受性を高めています。これは社会においてとても大切な力となっていきます。ごっこ遊びや積み木などのルールが無いような、自由な遊びをすることで、創造性や柔軟性を育むことができます。

2. 脳機能や体の発達

鬼ごっこなどで体を動かして遊ぶことは、体や手先の多様な動きができ、主には追いかけることや、逃げる際に走ることでの体力向上、体を機敏に動かす運動能力や筋力の発達が育まれます。逃げるときの瞬発力、どちらの方向に逃げるのが良いかを考える判断力を鍛えることもでき、ぶつかることや、転ばないようにすることも体を動かして学んでいます。子どもは遊びは単純に見えても、子どもの脳は様々なことを吸収していて、脳機能と体が発達していきます。

3. 自発性・社会性が身に付く

スポーツなどのゲームを行い、子どもが自ら進んで思い切り、伸び伸びと遊ぶことは、健やかな心の育ちを促す効果があり、何事にも自発的に取り組む姿勢を養う良い機会となります。子供たちが主体的になって遊ぶことで、自分たちで目的を達成することの楽しさや、より新しいことへのチャレンジ精神を育み、自己肯定感を高く持てる子どもへと成長していきます。またゲームでのルールを守ることや、友達とのコミュニケーション能力といった社会性は、社会においてはとても大切な能力の１つです。

参照：子どもの発育・発達に及ぼす公園の利用に関する研究

まとめ

親にとって子どもの遊びは単純に見え、軽視されてしまいがちですが、子どもは遊びという体験を通して心身共に成長していくため、子供の成長においては無くてはならないものです。また、子どもの時期の遊びが減ってしまう事は大人になってからのスキルや、体の健康にまでも影響を及ぼします。子どもを伸び伸びと自由に遊ばせることで、創造力を養い、様々なことに意欲的になり、脳機能や体の発達といった心身の発達において、とても大事な働きを持っています。親は子どもの遊びの重要性を理解し、子どもに対して、積極的に遊びや運動を促し、生活体験から成長していく環境を作ってあげることが大切です。