音を気にせず趣味を楽しめる家に必要な基礎知識

音を考慮した住まい

2024.04.11

writer
IROHA.IE

目次

音を気にせず趣味を楽しめる家に必要な基礎知識

音楽好きの家庭においては、一般的な家だとピアノやバイオリン、ギターやドラムといった楽器を練習したり、演奏しようと思っても、近隣への音漏れや騒音を考えると好きな音楽や楽器の演奏を十分な音量で楽しむことは難しいです。

特に閑静な住宅街において、楽器などの音漏れはご近所付き合いのトラブルにもなりかねません。

楽器を演奏したいけど、近隣への配慮も考えなければならない。音楽好きの方においては音楽を十分に楽しめる環境を整えるためにその希望を叶えたいけど、こういった音の配慮を考えると、なかなか実現が難しいと悩まれている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな家づくりでいつでも気軽に演奏を楽しめるような家にするためにはどういった工夫を持っておくことが必要なのか?ご紹介していきます。

外に漏れてもいい音量を知ろう

環境省が示す外に漏れても良い音の公共的な環境基準は下記の通りとなっていて、地方自治体が定める地域の類型によってその音量基準が異なること、また昼間を午前6時から午後10時までの間、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間と、時間帯によっても基準となる音量というのが異なることがわかります。

ここでは一番厳しい基準とされている40dBを基準としてみていきましょう。

地域の類型基準値
昼間夜間
AA50dB以下40dB以下
A及びB55dB以下45dB以下
60dB以下50dB以下

(注)

1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。

2 AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。

3 Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。

4 Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。

5 Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。

 ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

楽器によって音の大きさは異なる

楽器の音の大きさについてですが、下記の図を参考にしてみると、クラシックギターやバイオリンの音は80~90dBの範囲の大きさとなり、これは日常生活の音で例えると、パチンコ店の音、ボウリング場の音などの騒音と同じくらいの音の大きさなります。

ピアノになると90~110dBとなり、これは地下鉄の騒音と変わらない音の大きさで、サックスや金管楽器になると110~120dBとなり、ジェット機並みの音の大きさになります。そしてドラムやパーカッションになると130dB程度になり、これは落雷と変わらないきわめて大きな音になるため、まずは楽器によって音の大きさが異なることは理解しておく必要があります。

引用:自宅で楽器をやるなら知っておきたい騒音レベルの基準

最低限必要となる防音性能

先ほどの外に漏れても良い基準の音から楽器の出す音を踏まえてみてみると、単純な計算式は下記の通りとなり、防音対策で必要となる音量を計算することができます。

(出す音)-(外に漏れても良い音)=(遮りたい音)

例)ギターの場合

90dB - 40dB = 50dB

これはあくまで最低基準となる数値となり、実際に生活する環境や個人的な感覚によっても感じ方は異なるため、騒音と捉えられる可能性もゼロではありません。

そのため防音を考える際にはもっと遮音性能を上げる工夫が必要となります。

まとめ

自宅で楽器を演奏することは「非日常的な」騒音を生み出してしまうことと同じだということを理解しておきましょう。ご近所の方へ迷惑をかけないために、自宅で楽器の練習を行いたい方は、防音設備をしっかりと整えておくと安心でしょう。

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