断熱材・窓材にもこだわりをもって結露の起こらない健康な家づくりを

湿度を考えた健康に暮らせる住まい

2023.06.15

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IROHA.IE

目次

断熱材・窓材にもこだわりをもって結露の起こらない健康な家づくりを

家づくりの中で意外と後回しになりがちですが、健康な暮らしをしていくために大切なポイントとも言えるのが、断熱材や窓材などの設備にもこだわることです。断熱材・窓材といった設備は住宅の性能を高めるだけでなく、暮らしの快適さや健康に過ごせるかどうかといった点にまで影響を与えます。

特に断熱材はどういったものがあるのかを理解しておかなければ、結露が起こりやすい家は、掃除の手間が多くなったり、放置してしまうと健康被害となるカビなどの発生により室内の空気が悪くなりやすい家となってしまいます。

そのため、結露を防ぐような対策を断熱材や窓材に行っていく必要があるのですが、今回はそんな暮らしに関わる生活結露について注目していき、断熱材・窓材を選ぶ時にはどんな対策が必要なのかに注目していきましょう。

表面結露と内部結露の違いとは?

Water droplets on glass surface isolated on transparent background. Vector realistic illustration of condensation of steam in shower or fog on window, fall clear aqua drops from dew or rain

そもそも結露とは、暖かい水蒸気を含んだ空気が冷えたものに触れることで水滴が発生する現象のことで、私たちが普段よく目にする光景では、グラスの中に冷たい飲み物を入れた時に起こる外側の水滴を結露といいます。

表面結露はこの結露が住宅内で起こっている状態のことを指し、住宅において発生しやすい場所は、窓やサッシといった箇所になります。表面結露の特徴は目に見える箇所で起こることで、結露が起こってもこまめに水滴を拭くことで対策をすることもできますが、厄介なのが次に紹介する内部結露です。

内部結露は、結露が起こる原理は同じなのですが、住宅の中の見えない部分に起こる結露のことを指し、壁内や屋根周り、床下といった場所に起こる結露のことです。この内部結露は結露が起こっても気づかないことが多く、カビや腐食といった進行が進み、住宅が傷んでしまう原因となる結露でもあります。

そのため、表面結露が起こりやすい住宅は内部結露も起こりやすい住宅であることであるケースがほとんどで、健康に安心して暮らしていくためには、家づくりの段階から、結露が起こりにくい住宅にしてくことが大切となります。

基本的な結露についての知識を学んだところで、次に結露が起こりにくい対策についてみていきましょう。

結露が起こりにくい断熱材を使用する

断熱材は家の温度を一定に保つためのものと思われている方も多いかもしれませんが、実は湿度をコントロールするためにも断熱材の選定はとても重要なポイントとなります。

断熱材の種類によっては、暖かい空気が壁の内側に入り、家の見えない部分(壁内や床下・天井裏などの柱や土台)で内部結露を起こしてしまう可能性があります。

結露は一度起こってしまうとカビの繁殖だけでなく、家の見えない部分の腐食の原因になり、住宅の耐久性にも影響を及ぼしてしまうこともあります。そのため内部結露を防ぐために、湿気を通しにくくすき間がない防湿性の高い断熱材を使用した家づくりを行うことが大切となります。

湿気を通しにくい断熱材はどんなものがあるのか?

セルロースファイバー

結露防止に有効的な断熱材の1つに、セルロースファイバーというものがあります。
綿のような形をした断熱材で、壁の中に吹き込んで充填していくことで断熱効果を発揮します。

ボード状の他の断熱材と比べてセルロースファイバーの方が高い精度で施工でき、断熱欠損を起こしにくいという特徴があります。
さらに、セルロースファイバーは水を吸ったり吐いたりできる素材なので、壁の中の結露発生を抑止することが可能です。

グラスウール(ガラス繊維系断熱材)

グラスウールは、ガラスを高温で溶かし、綿状にした細い繊維を使用した断熱材です。
軽量かつ断熱性の高く、施工方法もボード状のものから吹き込みタイプまでさまざま。
さらに、繊維系断熱材の中でも価格が安いこともあり、多くの施工現場でグラスウールが使われています。

グラスウールは湿気に弱いことが弱点ですが、しっかり防湿処理をして施工することで、高い断熱効果を発揮します。

ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)

次におすすめなのは、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)、いわゆる発泡スチロールのことです。
発泡スチロールを近くで見ると小さな白い粒々がたくさん集まっていることがわかると思いますが、その中に空気が閉じ込められていて断熱材としての働きをしてくれます。

ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)は値段が安く、水を吸わない特徴があります。

外断熱(外張り断熱工法)の住宅にする

断熱材の施工方法には、「充填断熱工法」と「外張り断熱工法」の2種類があり、壁の中に断熱材を詰める「充填断熱工法」が一般的な断熱材の施工方法ですが、「外張り断熱工法」にすることも結露対策の一つになります。

外断熱(外張り断熱工法)とは、柱の外に断熱施工する断熱広報のことで、断熱材を切れ目なく施工することができます。また壁にある障害物の影響を受けないのも特徴です。

建物全体を断熱材で包み込んでいることで気密性が高く、建物の内側と外側の温度差が小さくなることで、冬場でも結露の発生が起こりにくくすることができます。

さらに、内部結露も起こりにくいため、カビや錆びによる住宅の劣化を抑えられ、家が長持ちするというメリットや、建物全体を断熱材で覆っているので、柱などの構造体を保護できるといったメリットもあります。

すき間のできにくい「外張り断熱工法」は「充填断熱工法」に比べて、気密性能を高めることが容易になります。 木材は発泡プラスチック系断熱材に比べると、5~8倍断熱性能が劣ります。木造住宅では表面積の約20%が木材による熱の逃げ道になっています。 このため「充填断熱工法」では、建物の木材部分から熱が逃げてしまうので、断熱材の厚さを増やしてカバーする必要があります。

これに対して「外張り断熱工法」では、木材は断熱材の内側に位置するため、木材の断熱性がそのままプラスされます。

樹脂窓

先ほど表面結露の説明でもご紹介した通り、表面結露が起こりやすい代表的な場所として挙げられる窓の内側。こまめに拭き取って結露対策をしても良いのですが、根本的な対策とはなりません。そこで、窓材にも結露が起こりにくい樹脂窓を使用することで表面結露が起こりにくくすることができます。

樹脂窓とは、「塩化ビニール樹脂」をフレームとして利用している窓材のことで、高い断熱性能があり、お部屋の熱を外に逃さない性質を持っていますが、湿気対策にも効果的です。冬の窓によく起こる結露は、家の中の湿気の原因の一つになりますが、樹脂窓はその高い断熱性能で結露も防いでくれるため、おすすめです。

まとめ

結露が起こりにくい家にすることは、断熱材や窓材によって起こるケースが多く、家を建ててから末長く健康に暮らしていくため、長くその家に住むためには断熱性能自体を高める断熱材や窓材の選定がとても大切であることが理解できたかと思います。

これから家づくりをしていく家庭においては、長い目でみて健康で住宅トラブルが起こりにくいように断熱材や窓材といった部分は、結露の起こりにくいものを選んで家づくりをしていくことで、快適に暮らせる家としていきましょう。

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